【書評】3つのステップで成功させるデータビジネス|「データで稼ぐ」仕組みづくりの極意とは?

今回ご紹介するのは、データビジネスに関心のある方必見の一冊『3つのステップで成功させるデータビジネス 「データで稼げる」新規事業をつくる』(著:EYストラテジー・アンド・コンサルティング)です。
「データ活用=DXや業務改善でしょ?」と思ったあなたへ──本書はもっと“攻め”の話です。
企業がデータを活かして「新しい売上を生む」ための具体策が、理論と事例でわかりやすく解説されています。
なぜ今「データビジネス」なのか?
企業はすでに膨大なデータを保有していますが、それを“収益化”できている企業はごくわずか。
本書が言う「データビジネス」とは、単なる分析ではなく、「データで稼ぐ」構造そのものをつくること。
ステップ1:データビジネスの“種”を見つける
著者は、アイデア発想には2つの視点があると言います。
- データの単位:個別・集合・グループ化
- データのタイミング:瞬間・定点・推移
例えば、**ユーザーの位置情報の“推移”**を分析すれば、来店予測や動線最適化などの新規サービスが生まれるかもしれません。
ステップ2:ビジネスモデルとして設計する
単なるデータ活用に留まらず、「誰に」「どんな価値を」「どう届けるか」を明確にする必要があります。
- 顧客セグメント
- 提供価値
- チャネル
- 収益モデル
- 必要リソース
この5つを整理していくことで、「事業としての勝ち筋」が見えてきます。
ステップ3:スケールさせて“稼ぐ”
データビジネスを大きくするための2大戦略:
- 水平展開:別の業界やエリアにも応用
- 垂直統合:データの収集から価値提供まで自社で内製
この考え方は、SaaSやプラットフォーム系スタートアップにも通じるものがあります。
こんな人におすすめ!
- 新規事業のヒントを探している方
- DX推進の責任を担っている方
- B2B SaaSやIoTのサービス開発に関わっている方
- 自社データを使って何かしたいけど「何ができるか」わからない方
まとめ:データ活用の“羅針盤”として最適な一冊
データは宝の山──でも、掘り出さなければ意味がない。
本書は、宝を「収益」に変えるための地図と道具を与えてくれます。
「データを使って、何か始めたい」と思った方には、まず読んでほしい一冊です。